福島第一事故情報
環境への影響
海洋について
福島第一原子力発電所からは、2011年4月1日~6日と5月11日の2度にわたり高濃度の汚染水が海水中に流出しました。放射性物質の総量は、4月の流出時で約4700テラベクレル(テラは1兆)、5月の流出時で約20テラベクレルと推定※されています。また、4月4日~10日には、高濃度の汚染水が流出するのを防ぐため、比較的低濃度の水を約1万トン、海水中に放出しました。この放射性物質の総量は、約0.15テラベクレルと推定※されています。
流出した放射性物質は海流に乗って福島県沖から千葉県沖にかけて広まり、長い時間をかけて海底に運ばれていきます。この海域ではさまざまな海産物に出荷制限が出されるなどの影響を受けました。
福島県沖では、事故後本格的な漁を自粛していましたが、2012年6月に試験操業を開始し、魚種と海域を広げてきました。福島県による53,000件を超えるモニタリングの結果から安全が確認されている魚種もあります。このような魚種に限定して、小規模な操業と販売を試験的に行い、出荷先での評価を調査して、漁業再開に向けた基礎情報を得ています。2017年4月1日より、出荷制限魚種を除く全ての魚種が試験操業の対象となっています。
事故以降、関係機関が連携して、宮城県、福島県、茨城県等の海域、海水などについてモニタリングを行い、その結果を原子力規制委員会のホームページで公表しています。
【以下より作成】
※原子力災害対策本部「原子力安全に関するIAEA閣僚会議に対する日本国政府の報告書-東京電力福島原子力発電所の事故について-」(平成23年6月)より
原子力災害対策本部「国際原子力機関に対する日本国政府の追加報告書-東京電力福島原子力発電所の事故について-(第2報)」(平成23年9月)より
福島県漁業協同組合連合会HP「福島県における試験操業の取組」(令和2年6月末時点)