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2万2000ベクレルの放射性物質とは?


ニュースがわかるトピックス

2017年6月9日


日本原子力研究機構・大洗研究開発センターの燃料研究棟(放射線管理区域)で6月6日、作業員5名が被ばくする事故が発生しました。核燃料の貯蔵容器の内部の袋が破れ、実験で使ったプルトニウムなどを含む放射性物質が漏れ出し、作業員が被ばくしました。


5名の肺の検査により、プルトニウム239とアメリシウム241が検出され、最大でそれぞれ2万2000ベクレル、220ベクレルが確認されました。


2万2000ベクレルとは?


プルトニウム239は、アルファ線を出して、ウラン235に壊変(注1)します。アメリシウム241は、アルファ線を出してネプツニウム237へと壊変していきます。


ベクレルとは、放射能の強さを表す単位で、1秒間に放射線を出す回数(原子核が壊変する回数)を表します。従って、2万2000ベクレルとは、1秒間に2万2000個のプルトニウムが放射線(この場合アルファ線)を出していることになります。


被ばくによる人体への影響は?


今回の事故で高い線量を受けた作業員の人体への影響は、推定値として50年間の累計で12シーベルト(注2)、最初の1年間で1.2シーベルトの影響があると推定されました。12シーベルトは今後治療などを何も受けずに50年間放射線の影響を受け続けた場合を想定した推定値です。今回の内部被ばくにより、長期的に健康影響を見た場合には発がんのリスクが高まる可能性が考えられています。


シーベルトとは?


シーベルトは、放射線による人体への影響の度合いをあらわす単位です。放射線による人体への影響は、アルファ線やベータ線などの種類や、肺などの臓器・組織を個別に評価して、計算されます。アルファ線は、ガンマ線やベータ線より、臓器・組織に与える影響は20倍大きいと評価されています。


また、体の中から放射線を受ける内部被ばくは、放射性物質が体内に留まるために、体の外から放射線を受ける外部被ばくより、影響が高いと思われがちです。しかし、外部被ばくでも内部被ばくでも、同じ数値のシーベルトであれば、影響は同じと考えられています。


(2017年6月8日迄の報道資料により作成)


もっと知りたい

私たち日本人は、宇宙や大地、食物などから、1年間に平均2.1ミリシーベルトの放射線を受けています。また、100ミリシーベルト(0.1シーベルト)以下の放射線の影響では、がんのリスクが実際に増えるかどうかははっきりしていません。あったとしても、タバコや酒、食事など他の発がんの原因にかくれてしまう程度であるとされています。



注1: ある放射性物質が放射線を出して、別の放射性物質になること。

注2: 1シーベルト=1000ミリシーベルト。

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