コラム

むずかしいからきいてみた

たき火で発電!アウトドア・防災に役立つ「BioLite」のミリョク

掲載日:2023.1.10

#むずかしいからきいてみた

#エネルギー × “ 〇〇〇〇 ”

   

なるほど!と思う話題、エネルギーにまつわる雑学、ちょっと誰かにシェアしたくなるエネルギーの話をあらゆる方向からご紹介するこの企画。  

第3回のテーマは「エネルギーדアウトドア”」。

 

コロナ禍を通じて、アウトドア人気が高まっています。

今回はそんなアウトドアシーンをさらにワクワクさせてくれるグッズ「BioLite(バイオライト)」を紹介します。

 

BioLiteが開発したキャンプストーブは、たき火の熱で発電し、クリーンなエネルギーをアウトドアクッキングやスマホの充電、ライトの電源として活用できる優れものです。

 

今回はBioLiteの国内正規代理店であるモンベルの広報・小野さんにお話をうかがいました。

   

自然のエネルギーを活用するアウトドアブランド「BioLite」

   

自然界には、いろいろな形のエネルギーが存在しています。

位置エネルギー、運動エネルギー、化学エネルギー、核エネルギーなどは、中学校の授業でも習いましたよね。一般的に「発電」は、別の形で存在しているエネルギーを電気に変換します。例えば水力発電であれば、位置エネルギー → 運動エネルギー → 電気エネルギーへと形を変えて電気がつくられるといった具合です。

 

今回ご紹介するBioLiteは、熱エネルギーや光エネルギーを電気に変換できるアウトドアギアを展開するブランドです。

   

< 製品ラインナップ >

● COOK

電気の力で送風ファンを回し、高い燃焼効率を実現するバイオライトのクッキングシステム。

・キャンプストーブ2 PLUS

・ポータブルグリル

・ファイアピットPLUS など

● CHARGE

自然の中で電気をつくり、蓄えておけるソーラーパネル。

・ソーラーパネル5 PLUS

・ソーラーパネル10 PLUS

● LIGHT

アウトドアシーンを明るく快適にするBioLiteのライティングシリーズ。

・アルペングローランタン250/500

・トラベライト 135

・サンライト 100 など

 

BioLiteのブランドコンセプトは”Energy Everywhrere”。

枝を燃料に火をおこし発電もできるキャンプストーブ、太陽光を効率よく電気に変換するソーラーパネルなど、ユニークで機能的なアイテムがそろいます。

 

BioLite製品は全国のモンベル直営店でご購入いただけるほか、キャンプ用品店や防災用品でも取り扱っていただいています。見かけたらぜひ手に取ってみてください。

-小野さん

   

温度差発電でどこでもいつでも電気がつくれる

シリーズの中でも一番人気を誇る「キャンプストーブ2 PLUS」は、たき火の熱を利用して発電できる新世代のキャンプストーブ。

   

キャンプストーブ2 PLUS

   

水筒サイズの小型のたき火台で、銀色の筒に松ぼっくりや小枝を入れて燃やします。燃焼により発生した熱で発電が行われ、その電気で筒内に酸素を送り込むためのファンを回したり、スマホを充電したりできます。バッテリー内蔵なので、蓄電をすることも可能な優れものです。

 

キャンプや釣りなどさまざまなアウトドアシーンで活用でき、バイクツーリングのお供としても人気です。マナーや火の取り扱いさえ注意すれば、小型なので自宅のお庭でも気軽にたき火を楽しめます。

-小野さん

 

百聞は一見にしかず。キャンプストーブを使っている様子を動画でご覧ください。

 
 

たき火の熱でどうして電気がつくれるのかというと、「ペルチェ素子」というおいしそうな名前の物質が関係しています。

ペルチェ素子の性質を一言で表すとすれば、「温度差が生じると電気を発生させる」ということ。

キャンプストーブの燃焼室の中にある金属の棒には、ペルチェ素子が含まれています。棒の先端を焚き火の炎で熱すると先端部が熱くなり、炎に接しない部分との間に温度差が生じます。そして、その差によって電気がつくられる仕組みなんです。

 

ちなみに、逆にペルチェ素子に電気を流すことで温度差を発生させることもできます。ホテル客室にある小型冷蔵庫、パソコン内部の冷却システムなど、実は私たちの身の回りにもペルチェ素子は利用されています。

   

開発背景は発展途上国での一酸化炭素中毒の問題

BioLiteがこのようなストーブを開発した背景には、一酸化炭素中毒という社会課題が関係しています。

 

世界では今なお多くの人が電気やガスなしで生活しており、そういった地域では薪を使ったたき火による調理が行われています。ただ、一酸化炭素中毒、二酸化炭素の排出量増、燃料確保のためのコストなど、たき火調理には多くの問題があります。

 

それらの問題を解決するためにつくられたのがこのキャンプストーブの原型であるHome Stoveです。キャンプストーブは、このHome Stoveをアウトドアで利用しやすいように小型化したものです。

       

本体の中に内蔵されているファンが回ることで不完全燃焼を起こさない仕組みになっており、電気のない環境でもパワフルなたき火が楽しめます。もちろん機能だけでなくデザイン性も高く、宇宙探査機のような見た目もかわいげがありますよね。

 

たき火での料理も簡単です。食材を串にさしてあぶるだけでも美味しいですし、専用のオプションを使えばステーキやアヒージョ、コーヒーなども簡単につくれます。

-小野さん

 

なお、BioLiteのHPにはクッキング例が紹介されています。どれも小野さんが仕事仲間といっしょにつくった料理だそうなので、ぜひこちらもチェックしてみてください。

   

防災は普段からの備えが何よりも大切

BioLiteブランドにはキャンプストーブ以外にも、小型のソーラーパネルや手のひらサイズのライトもラインアップされています。いずれも防災グッズとしても人気で、備えておけば停電時に活躍すること間違いありません。

   

モンベルでBioLiteを取り扱うようになった当初は、物珍しさでご購入いただくお客さまも多かったのですが、国内で大きな災害が続いたこともあり、防災グッズとしても注目されるようになりました。2018年に発生した北海道での大地震(北海道胆振東部地震)の際にも、BioLiteのキャンプストーブやソーラーパネルが非常に役立った、というお声も多くいただいています。

-小野さん

   

最近では、オール電化の家も増えてきました。

オール電化にはいろいろなメリットがある一方、電気が絶たれてしまうと家にある家電すべてが使えなくなってしまいます。

   

そんなときでもキャンプストーブやソーラーパネルを備えておくと、調理やスマホ充電ができて安心です。

   

モンベルでは、キャンプストーブを使用するアウトドアイベントも定期的に実施しています。インフラが整ってない状態での衣食住を経験しておくことで、災害時でも慌てず対応できます。

-小野さん

   

モンベルのサイトでは、いざというときに役立つ知識も紹介されています。こちらもぜひチェックしてみてください。

     

身近な自然を見つけてアウトドアを満喫しよう

   

コロナ禍を通じて、キャンプやサイクリングなど、野外でのアクティビティを楽しむ人が増えました。最後にアウトドアのプロである小野さんに、野外活動を楽しむコツをお聞きしました。

   

日本には、アウトドアを楽しめる自然豊かな場所が数多くあります。パンデミックにより遠出がしにくくなり、これまであまり目を向けていなかった身近な自然の魅力に気づいた人も増えたと思います。 ぜひ、そんな身近にあるお気に入りのフィールドを見つけてほしいですね。そして、そこをベースに、山登りや釣り、サイクリング、カヌーなどのいろいろな遊びをしてアウトドアを思う存分楽しんでみてください!

-小野さん

     

ライタープロフィール

小林悠樹/フリーライター。一橋大学卒業後、冷食メーカーに勤務。2016年脱サラし、宮古島へ。

22年さらなる刺激を求めてポルトガルへ移住。著書は『移住にまつわる30の質問』(キッカケ出版)

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