解説

発電量と消費量のバランス

 
2018年9月に、北海道厚真町で最大震度7の「平成30年北海道胆振東部地震」が発生し、主力電源であった苫東厚真火力発電所が運転を停止したことに加え、送電線の事故などもあり、北海道エリア全域で大規模停電(ブラックアウト)が起こりました。
電気は、常に発電量(供給)と消費量(需要)を一致させることで安定供給を維持しています。この需給バランスが崩れて周波数が乱れると、照明がちらついたり、工場では機器の作動が不安定になって製品に不具合が出たりします。さらに発電所では、電気の供給が正常に行えなくなると安全装置が発動し、発電所が次々と停止して、大規模な停電につながります。
電源にはそれぞれに特性があり、水力や原子力、地熱、石炭火力などは安定して発電ができますが、太陽光や風力などの再生可能エネルギーは季節や天候によって発電量が変動します。このため、再生可能エネルギーを大量に導入するには、その出力変動に対応して出力調整ができる火力発電などをバックアップとして準備し、発電量と消費量のバランスをとる必要があります。
また、再生可能エネルギーで発電をする地域と既存の電力系統をつなぐために新たな電力系統が必要になる場合もあり、コストの増大につながります。こうした「系統制約」の克服も、再生可能エネルギーを大量導入する際の課題となっています。

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