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【解答編】京都大学謎解き制作団体「ハードナッツ」が制作したエネルギー謎解き(2022.1.23)
謎解きから、どんな「キーワード」が導き出されるでしょうか?
ヒント
- それぞれのイラストの名前を書き出してみましょう。
- 左から2番目のイラストは「ぼんさい」です。
- イラストの名前から「テンサイスイカ」の文字を引いてみましょう
イラストをカタカナに変換し、「テンサイスイカ」を消しましょう。残った文字を左から読むと、「カーボンニュートラル」となります。
答え:カーボンニュートラル
解説
カーボンニュートラルとは
- 二酸化炭素(CO2)排出量と吸収量の差し引きをゼロにする取り組みのことを言います。
- 昨年11月のCOP26で、日本を含めた多くの国が2050年までに カーボンニュートラル達成に向けた取り組みに参加しました。
世界の二酸化炭素(CO2)排出量
- 国別で見ると昔はアメリカが世界の約半分の二酸化炭素(CO2)を排出していましたが、現在は発展途上国の中国やインドが多くの二酸化炭素(CO2)を排出していることが分かります。
- 日本は二酸化炭素(CO2)排出量が全世界の3%程度ですが、先進国として排出量を削減していく義務があります。
カーボンニュートラル達成に向けて
- 日本は、2030年に2013年(基準年)に比べて46%削減を宣言、2050年にカーボンニュートラルを実現することを目標に掲げました。
- 現在の技術では2030年の目標値、2050年のカーボンニュートラルの達成は極めて難しいのです。なぜなら、車や飛行機の燃料をガソリンから 二酸化炭素(CO2)を排出しないものに変える必要があるからです。
- 現在、開発されている水素燃料電池ですが、水素は電気を使って作り出すことが多いので、水素の元となる「電気」を何から作るかが問題になるのです。
ヒント
- あみだくじで辿ったときに、エネルギー源と発電が正しくつながるようにしましょう。先に火力発電以外のものについて考えると分かりやすいかもしれません。
- 「風」から「風力発電」につなぐためには、「ウランから」の線を消す必要があります。
- ウランから原子力発電まであみだくじで辿り、通った線の上の文字を読みましょう。読む方向にも注意しましょう。
「ウランから」と「たどれ」の線を消すとあみだくじで正しくエネルギー源と発電を繋ぐことができます。ウランから原子力発電まで辿り、線の上の文字を辿った順、すなわち右から読むと、「こたえはにさんかたんそ」となります。
答え:二酸化炭素
解説
二酸化炭素(CO2)を排出しない発電方法
- 火力発電は、多くの二酸化炭素(CO2)を排出しますが、原子力発電や再生可能エネルギー(水力発電、太陽光発電、風力発電、地熱発電)は、発電時に二酸化炭素(CO2) を排出ない発電方法なのです。
発電時の二酸化炭素(CO2)を減らすには
- 発電時の二酸化炭素(CO2)を減らすには、火力発電の削減が必要になりますが、削減した部分をどう補うかが重要になります。
- カギとなるのが、再生可能エネルギーや原子力発電の利用拡大、 CCS( CO2 回収技術:CO2を発電所で回収し地下深くに埋める技術)です。
再生可能エネルギーの不安定性
- 原子力発電は、課題として安全性は向上してきているので、今後は信頼の確保が大切になります。そして、再生可能エネルギーは発電の不安定性が課題となってきます。デンマークの電力構成を円グラフで見ると、国の半分以上の電気を風力発電で賄っています。
- 不安定な電源が増えると、「バックアップ電源」の容量が大量に必要になります。デンマークでは国を越えて、電力を輸入・輸出する形で平滑化して運用しています。しかし、島国である日本は、国を越えての電力を輸入・輸出は難しいのです。
ヒント
- 火や水などのマークは、それぞれの下にある線が書かれた四角と対応しています。どのような法則によって「=5」が成り立っているか、考えてみましょう。
- マークに対応する四角にある線を書き入れてみましょう。「=5」の段の一番左の四角には、3つのマークがあり、四角の中に書き入れると、「F」になります。
- マークが上下反転しているときは、下の四角も上下反転させましょう。「FIVE=5」が成り立っていることが確認できます。
マークに対応する四角に中の線を、そのままの大きさで四角に書き入れましょう。複数のマークが1 つの四角にある場合は、組み合わせて1つのアルファベットができていました。また、マークが上下反転している場合は対応する四角も上下反転させます。
答え:BALANCE(バランス)
解説
エネルギーはバランスが大切
- 原子力発電は1980年以降増えましましたが、2011年の福島第一原子力発電所事故で原子力発電所が停止し、石油火力発電と天然ガス火力発電が増加しました。その結果、2013年は日本史上で最高の二酸化炭素(CO2)排出年となりました。
- 日本は今後、2030年に二酸化炭素(CO2)の排出量46%削減を目指して努力していく必要があります。2010年当時のアイスランドと日本の電力構成を比較すると、アイスランドは水力発電と地熱発電の再生可能エネルギーで国の電力を確保しています。水が豊富で、火山国ある日本でも実現できそうですが、無理なのです!注目するべき点は、発電割合ではなく、発電量でなのです。
割合ではなく、量で考えないといけない
- アイスランドもデンマークも日本と比べて再生可能エネルギーの発電割合が多くなっています。これは、アイスランドもデンマークも日本に比べて人口が少ないため、少ない電力量で国全体の電気が確保できるからです。日本は人口が多いため、様々な発電方法を組み合わせて国の電力量を確保しているのです。
- 一見すごいと思いますが、風力発電は風が吹かないと発電しないため、安定な電源とは言えません。
- 他の国で実現できているから、日本でもできるとは限りません。国の人口や発電電力量を考慮しながら、その国に適した発電方法で電力量を確保しないといけないのです!
エネルギーミックスの最適化
- 中国、アメリカ、ロシア、ドイツ、イギリスの電力構成を見ると火力発電の割合が多いです。理由は、自国に化石燃料が存在するからです。
- 電力構成は、それぞれの国で自国の事情に合わせた発電方法を 選択しているのです。
- フランスは日本と同様に資源小国で、原子力発電の利用を選択しています。
- 日本の電力構成に関する基本的な考え方は、エネルギーミックスを最適化させるという立場にいます。
第6次エネルギー基本計画
- 昨年10月日本は、2030年の発電方法の組み合わせを発表しました。(第6次エネルギー基本計画)
- 日本の基本的な立場は、エネルギーミックスを最適化(3E+S)です。
1.エネルギーの安定供給(Energy Security)
2.経済効率性の向上(Economic Efficency)
3.環境への適合(Environment)
4.安全性(Safety)
という考え方で取り組んでいます。 - エネルギーミックスの割合はこれまでに何度も変わり、現在の割合となりました。
- 今後は、2050年カーボンニュートラル達成に向けて、エネルギーミックスの割合が変わってくることが予想されます。
- 世界的公約として日本は、今後二酸化炭素(CO2)を削減していかなければいけません。
- 公約実現のために以下の3つが重要となります。
1.再生可能エネルギーの拡大
2.原子力発電の利用拡大
3.CO2回収
→この3つを上手く組み合わせていかないと、2050年にカーボンニュートラルに達成するのは非常に厳しくなってきます。 - 人口が多くエネルギー消費の多い日本では、電力の安定供給のために再生可能エネルギー、原子力発電など多くのエネルギーを組み合わせる「エネルギーミックス」が必要です。
- そして、電気は私たちの生活、今後の社会にとって欠かせません。しかし、その重要性について国民の中であまり意識されていません。普段何気なく電気を使っていますが、それは発電所から電力が常に送られてきているからです。電気を作くる発電所がある地域に私たちは感謝しなければならないのです!
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