教材・セミナー

出前授業2024

関東2024

DATA
【開催日時】2024年8月28日(水) 【 エ リ ア 】東京都目黒区
【 学 校 名 】 東京都立国際高等学校 【 参 加 者 】 2年生

「エネルギー」
自然放射線の測定・霧箱による放射線の飛跡観察

生徒

再処理の方法は確立されていることが分かったり、エネルギーのお話も日本が深刻な遅れをとっているわけではないことが分かったりと知識をグレードアップ出来ました。実験も普段目にすることのできないものを見ることができて面白かったです。


生徒

エネルギーは当たり前にあるものだと感じてしまっていたが、今回の講習を受けてその重要性と課題、様々な面からエネルギーについて学ぶことができて本当に貴重な時間でした。自分自身、ニュースで日本の立場を否定するような情報に同意してしまっていて、角度を変えて見ることがなかったので、今度からは鵜呑みにしないようにしようと思いました。直接自分にできることがなくても、現状を知っておくだけで違うと思ったし、エネルギーにはいろんな世界情勢も関わっていて面白いと思いました。


生徒

本日はお忙しいところ講演ありがとうございました。これからの世界において再生可能エネルギーがとても重要であること、 これに加えて原子力発電はもっと注目されるべきであることを学ぶことが出来ました。資源がどんどん無くなるなか、私たちは新たな発電方法を見つけたり、発展させたりして未来の世代に幸せがあるように努力するべきだと感じました。 本日は貴重なお話ありがとうございました。放射線が場所や材質によって量が違うことを今日初めて知りました。これからニュースなどで騙されないように自分の頭で考えられるようになりたいです。


生徒

エネルギー問題について考える場合、データの一部分だけを見て、ただ環境にいいか悪いかで考えるのではなく、総コストや発電量の安定性、資源の価格や維持費など、様々なことを考慮していかなければならないということに気づくことができました。 また、ニュースでエネルギー問題について取り上げることはあっても、原子力発電の仕組みや処分方法については詳しく取り上げることがあまりないので、福島原発の事故から技術が進歩していることや、廃棄物の処理方法について今回の講習で知ることができてよかったです。原子力発電について詳しく知ることで、福島での原発事故によって抱いていた不安感が払拭されたなと感じました。日本は燃料や自然の資源が少なく、自給率が低いことや、二酸化炭素排出量が多い火力発電に依存していることなど、エネルギーについて様々な問題を抱えているので、これらの問題解決のために、一人一人が発電方法や、エネルギー問題について、正しい知識を持つことが大切だと感じました。 質問にも丁寧に回答してくださって、自分でインターネットで調べるだけではわからなかった部分まで深く知れて、とても勉強になりました。本日は本当にありがとうございました。


質疑応答

生徒

本日はお忙しい中貴重なお話をありがとうございました。エネルギーや放射線については今まであまり興味のある分野ではなく、知らないことが多くありました。しかし、本日のお話で他の国のエネルギーの情報や日本の過去のことなど詳しくしれて良い学びとなりました!放射性廃棄物は何かに活用したり利用したりは難しいのですか?また、バイオマス発電等はあまり主流でないと思うのですが、どのようなデメリットがあるのですか?


回答

質問頂き、有難うございます。非常にいい点に注目していますね。 「放射性廃棄物」の特徴は、強い放射線と熱を長期間放出し続けることがあげられます。初めの数百年間での半減期は30年くらいですので、放射線や熱が1/10になるまで、およそ100年かかります。実際に、この間の熱や放射線を利用しようという研究が行われています。「熱電発電」という熱から直接電気を作る方法や、放射線による「光電効果」という現象を使って直接電気を作る方法です。ただ、放射性廃棄物の放射線が非常に強いため、こういう活用は面倒だという意見もあり、現状では実用化の動きはありません。なお、放射性廃棄物ではなく、純粋な放射性物質からの熱や放射線を利用する応用例があります。例えば、太陽電池が使えなくなる木星、土星、天王星などの太陽系外周惑星探査機には、放射性物質と熱電発電の組み合わせで、宇宙船の通信や観測に使う電気が作られています。放射性廃棄物を利用することは可能なので、今後、何らかの利用を期待したいですね。 ・ドイツでは国の電気の7%、極端に導入しているデンマークの18%という例もありますが、アメリカでは1%、中国で2%、日本で3%と言うのが現在での発電量になります。廃材、間伐材などの植物を使うもの以外に、サトウキビなどの食料(の残り)を使うこともあるため、元々食料が十分に自給できていない日本のような国で、大きく増やすのは難しいです。また、やれるだけやってしまうと、どこかで頭打ちしてしまって、それ以上は無理、ということもあり、導入量には限界があります。ドイツも2013年まで増え続けていましたが、そこから現在までの10年間は全く増えておらず、限界に達した、という感じがします。また、それ以外のデメリットは、廃材、間伐材の収拾や糞尿・食料や廃棄物などを処理するという、「人の手間」が非常にかかることから発電コストが高くなります。「資源エネルギー庁 総合資源エネルギー調査会 発電コスト検証ワーキンググループ報告」によれば、バイオマスのみで発電しようとすると石炭火力や天然ガス火力の約2倍の発電コストになるとされていて、この点でも、なかなか主流にするのは難しそうです。

(近畿大学 理工学部 エネルギー物質学科 教授 渥美 寿雄)

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