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最高峰でつかんだ未来 ~エベレストで感じた地球温暖化~(2019年11月24日 TKPガーデンシティ博多にて開催)


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【主催】一般財団法人日本原子力文化財団、九州電力株式会社
【講師】野口 健 氏(アルピニスト)、松本 真由美 氏(東京大学教養学部附属教養教育高度化機構 環境エネルギー科学特別部門 客員准教授)



2019年11月24日にTKPガーデンシティ博多において、野口健氏、松本真由美氏によるセミナーを開催しました。セミナーには、福岡周辺の大学生を中心に約60名の参加がありました。当日の様子をレポートにまとめました。


第一部 最高峰でつかんだ未来 ~エベレストで感じた地球温暖化~

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野口 健 氏(アルピニスト)


実際に現場に赴くことで見えてくるものがある

データや文面などで知識を得ることもできるが、それは表面的なものが多く、実際に現場へ赴くことで立体的な部分が見えてくる。例えば、富士山は外から見ると綺麗だが、実際の現場は不法投棄のごみが多いのが現実である。現場でそれを目の当たりにすると、その問題を背負ってしまい、20年間にわたり、富士山でのごみ拾いなどの活動を行っている。


エベレストで温暖化を感じる

ヒマラヤは、雨季と乾季があり、アルピニストは、雪の少ない乾季に行っているが、1998年頃から乾季にも雪が多く降るようになってきた。そして、気温上昇の影響で水分の含有量が多い“べっとり”とした雪に変わってきた。2000年頃には、エベレストのベースキャンプでハエが飛び交うようになり、エベレストのふもとのネパールなどでは、氷河の決壊が問題になっている。


エネルギーについて考えることが大切

地球温暖化とエネルギーは、密接にかかわりがある。個人的には、日本は多くのエネルギー資源を海外に依存している「弱さ」があると感じている。今回のセミナーのように、エネルギーのことを考える機会が増えるとよい。



出典:日本原子力文化財団 「原子力・エネルギー図面集」



第二部 日本のエネルギーのことを考えよう

松本 真由美 氏(東京大学教養学部附属教養教育高度化機構 環境エネルギー科学特別部門 客員准教授)
地球温暖化がもたらす異常気象とは

氷河の融解、ツバルでの海面上昇の問題など、世界各地で温暖化の影響が見られている。最近、日本でも、西日本を中心に影響を与えた台風7号や集中豪雨など、大変痛ましい自然災害が多かった。


地球温暖化の日本への影響

シミュレーションの結果によると、西日本は、産業革命の頃と比べ、今世紀末までに4℃上昇し、北日本は、5℃上昇すると予測されている。その影響により、雨の強度が増し、強い雨の頻度が増えてしまう。日本各地でこのような地球温暖化によるさまざまな影響があると考えられている。


エネルギーミックスの構築がポイント

日本は、エネルギー資源に乏しい国。エネルギーの安定供給、経済性、地球温暖化の面を考えると、バランスが重要で、時代に応じたエネルギーミックスを構築する必要がある。さらに、省エネルギーも進めながら、低炭素のエネルギーに切り替えていくことも大切である。 原子力は、発電時にCO2を排出しない電源で、ベースロード電源として、エネルギーの安定供給に貢献している。安全対策を大前提として、エネルギーミックスに おける重要性を考えていかなければならない。



出典:日本原子力文化財団 「原子力・エネルギー図面集」



参加者の声
・野口さんの話は実体験に基づいているため、エベレストの状況やそこから得られた環境に対する見解がリアルで、とても参考になるセミナーだった。
・世界のエネルギー政策、日本のエネルギー政策について知ることができてよかった。
・エネルギーミックスの重要性を知ることができた。


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