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Interview

スペシャル対談 ~前編~

廃炉・汚染水対策の現地から復興を支える

木野 正登 Masato Kino

経済産業省資源エネルギー庁 廃炉・汚染水対策官
原子力災害対策本部 廃炉・汚染水対策現地事務所
参事官

2020.11.16

 
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Profile

東京都墨田区出身。東京大学工学部原子力工学科卒業後、1992年通商産業省(現経済産業省)入省。資源エネルギー庁原子力発電安全企画審査課に配属。原子力安全・保安院 柏崎刈羽原子力保安検査官事務所所長、文部科学省防災環境対策室長を経て、2011年3月、原子力災害現地対策本部広報班長に着任。2013年9月より現職。

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震災から10年大変な時も矢面に立ち今もなお福島に残り御尽力くださり本当に感謝でしかないです。福島では、なお放射能について正しい情報とそうではない情報があります。処理水に関してもそうです。沢山の情報がある中、私たちは惑わされることなく、どの情報が自分にとって大事なのかを見抜く力を持たなければなりません。 東電が言うから、国が言うから信じられないではなく、わたしの中で10年間真摯に頑張って来られた木野さんの言葉以上に響くものはないのです。これからもお身体に気をつけて福島でお仕事続けてください。応援しております。ありがとうございます。
(福島県 40代 女性 会社員)

01

福島第一原子力発電所事故が発生。福島へ

震災後の3月20日に福島へ来ました。その時の福島の印象は、とにかくバスにもガソリンスタンドにも長蛇の列ができていたことです。 私が福島に入る頃には電気は復旧していたのですが、水道はまだまだ復旧している地域が少なく、宿泊先を決めるときも「お風呂がない」「水が出ない」と言われました。しかしその後は深夜まで仕事をしていたので、ホテルに泊まることも少なく、オフサイトセンターの床にダンボールを敷いて寝ていました。

02

目まぐるしく変わる状況。

当時、私は広報班長を任命されていました。福島第一原子力発電所の状況を常に把握し、変化があるたびに情報をマスコミに説明するということをしていました。それ以外にも農林水産物の出荷制限や地域住民の状況、放射線モニタリングなどの様々な情報をマスコミに説明し続けていました。さらに、住民の方に福島第一原子力発電所の現状や、原子力や放射線の基礎的な情報などから説明していました。

03

廃炉・汚染水対策に携わるように

2013年は、福島第一原子力発電所では、汚染水の問題などでトラブル続きでした。そこで、経済産業副大臣が現地に事務所を作ることを決め、同年9月からは廃炉汚染水対策の事務所が立ち上がりました。それをきっかけに、私は廃炉・汚染水対策にずっと携わっています。井戸から水を取り出して放水を行う地下水バイパスや、原子炉建屋の井戸から水を汲み上げて放水を行うサブドレン、また凍土壁を作ることなど、とにかく現場は汚染水対策が中心でした。 現在は、汚染水対策がようやく落ち着いてきましたが、今の最大の課題は、処理水をどうしていくか。また、廃炉の問題にシフトしてきています。

04

事故から10年を経て、前向きに捉えてくださる方も

燃料デブリの取り出しなど、今後も難関の仕事は山程ありますが、先のことを落ち着いて考えていける段階にはなっていると思います。 昨年度から地元住民の方と私たち資源エネルギー庁と東京電力HDが福島第一原子力発電所を視察して、そのあとに座談会を行う取り組みを始めました。そこに来てくださる住民の方が、総じて非常に冷静に話を聞いてくださり、意見も言ってくださいます。また、そういう場所に来てくださる方だからこそなのかもしれませんが、前向きに捉えてくださる方もいます。もちろん厳しい意見もまだまだありますが、冷静に話し合いができるような形になってきていますね。

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